労働保険とは、労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称したものであり、保険給付は両保険制度で別個に行われていますが、保険料の徴収等については労働保険として、原則的に一体のものとして取り扱われています。 |
労災保険
労働者を一人でも使用する事業主は、必ず労働保険に加入することが法律上義務付けられています。
労働保険に未加入の事業主に対する費用徴収制度が強化しています。
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労働者災害補償保険法 |
目 的 |
労働者の業務上・通勤上の負傷、疾病、障害、又は死亡についての給付を行うための制度です。
※通勤(就業に関し住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法によって往復すること) |
適用事業所 |
1人でも労働者を使用する事業所 |
適用労働者 |
適用事業所に使用される方全て |
給 付 |
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療養補償給付 |
(療養給付) |
・ |
休業補償給付 |
(休業給付) |
・ |
障害補償給付 |
(障害給付) |
・ |
遺族補償給付 |
(遺族給付) |
・ |
介護補償給付 |
(介護給付) |
・ |
葬祭料 |
(葬祭給付) |
・ |
傷病補償年金 |
(傷病年金) |
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保険料 |
賃金総額+賞与 × 3〜103/1000(業種による)
全額事業主負担となります。 |
特別加入制度 |
特別加入制度とは |
本来、法人の役員、中小企業の事業主や家族従業員等は労災保険に加入することができません。
しかし、事業主や家族従業員も他の労働者と同様の業務に従事しており、労働災害の発生が多いというのが現状です。
そこで、労災保険に特別に加入ができ他の労働者と同様の給付が受けられるようになる特別加入制度が設けられ、現在、国内の
60%近くの事業主が特別加入制度を利用しています。
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特別加入制度の利用方法 |
労働保険事務組合(厚生労働省の認可団体)に事務委託をすることにより特別加入が可能となります。(事務組合に委託をしなければ特別加入はできません。) |
保険料 |
4000円〜20000円の間の給付基礎日額を選択していただきます
給付基礎日額×365×労災保険料率(業種により異なります) |
一人親方等の特別加入制度 |
一人親方特別加入制度の対象者(当事務組合においては、1の方のみの手続を行っております。) |
- 大工・左官・石工、とび等の建設事業者
- 個人タクシー、個人貨物運送業者
- 漁船に乗って作業を行う自営漁業者
- 植林、木炭製造業者
- 医薬品の配置販売業者
- 廃品回収業者
- 上記1〜6の事業者の家族従事者
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一人親方特別加入の
メリット
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現場で起こる労災事故に備えて、特別加入しておくことをお勧めします。現場によっては、特別加入をしていないと仕事を請け負えない場合があります。当事務所においては、組合員になっていただくと、「一人親方特別加入員証」の発行を致します。現場などで、いつでも提示してご利用ください。
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保険料 |
4000円〜20000円の間の給付基礎日額を選択していただきます
給付基礎日額×365×労災保険料率(業種により異なります) |
保険料の支払方法 |
- 元請会社を経由して組合員になっていただいた場合は、年3回の分割納入となります。
- 単独で、組合員になっていただいた場合は、年一括納付(4月)となります。
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海外派遣者特別加入制度 |
海外派遣者の特別加入制度とは |
労災保険は、本来国内にある事業場に適用され、そこに就労する労働者が給付の対象となる制度です。
海外の事業場で就労する方は対象となりません。海外赴任や海外派遣の方は
通常その国の災害補償制度の対象となりますが、外国の制度の適用範囲や給付内容が必ずしも十分で
ない場合もあります。
そこで、労災保険に特別に加入ができ他の労働者と同様の給付が受けられるようになる特別加入制度
が設けられています。 |
特別加入制度の利用方法 |
労働保険事務組合に事務委託をしていただくと、手続が簡便化されます。
(必要に応じて、健康診断の受診や海外派遣報告書の作成などがあります。)
万が一に備えて、ぜひ加入することをお勧めします |
保険料 |
4000円〜20000円の間の給付基礎日額を選択していただきます
給付基礎日額×365×労災保険料率(5/1000) |
雇用保険法 |
目 的 |
労働者が失業した場合に、労働者の生活の安定を図るとともに、再就職を促進するため必要な給付を行うものです。また、失業の予防、雇用改造の改善等を図るための事業も行っています。 |
適用事業所 |
原則的に1人でも労働者を雇っている事業所は適用事業になります。 |
被保険者 |
原則的に適用事業に雇用されるすべての労働者が対象です。
(65歳を越えている方、特に労働時間の短い方etcは除かれます。) |
給 付 |
失業給付
離職の日以前2年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある雇用保険に加入していた月が通算して12か月以上ある方(ただし、特定受給資格者については、離職の日以前1年間に、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある雇用していた月が通算して6か月以上ある場合も可)が退職し、求職の申込みを行い、就職する意思があるにもかかわらず「失業の状態」にある場合に支給されます。
給付額は、60歳未満の方の場合に50〜80%(60歳〜64歳の方については45〜80%)が所定給付日数分支給されます。
他に、就職促進給付(再就職手当、就業手当)、教育訓練給付、雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付)があります。
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保険料 |
事業主負担分と本人負担分があります。
業種により、保険料率が異なりますので割合につきましては、お気軽に当事務所へお問い合わせ下さいませ。
4月1日において満64歳以上の労働者は保険料免除
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〜労災保険の上乗せ補償です〜
「労保連労働災害共済」は、万が一労働災害(業務上災害・通勤災害)が発生したとき、事業主に代わり、労災保険の上乗せ補償を行う制度です。
労働災害に伴う補償は、国の労働者災害補償保険法(労災保険)に基づき公的な補償が行われていますが、昨今はそれ以外に事業主が何らかの上積み補償を求められるのが一般的になっておりますそのため補償をめぐって争いが生じ、裁判にまで発展するケースがあります。このようなことを未然に防ぐために設けられたのが、労保連労働災害共済
(労災保険の上乗せ補償制度)です。
安い掛け金で手厚い補償。手続きも労働保険事務組合に申込書を提出するだけです。
事業主にとっては、負担する共済掛け金は全額損金として認められます。
また、労災保険に特別加入している事業主・海外派遣者等も加入できます。 |
労保連労働災害共済 |
加入者 |
労働保険事務組合に、事務処理を委託している事業主となります |
加入期間 |
毎年6月1日〜5月31日までの1年間です。
中途から加入する時、掛金は月割り計算されます。
なお、有期の建設事業についてはその期間のみの契約もできます。 |
補償対象者 |
貴社の従業員(臨時・パート・アルバイト等も含む。)及び特別加入者(事業主・海外派遣者等)となります。
なお、建設の事業で、請負金額に労務比率を乗じて得た額を賃金総額とみなして共済掛け金を算出する場合は、
下請け事業の従業員も共済の対象となります |
掛金 |
年間掛金額=(労働者年間賃金総額+特別加入者賃金総額)×掛金率(業種ごとに異なります) |
補償内容 |
休業共済金・・・休業3カ年間まで全期間にわたって、平均賃金の20%を支払います。
(ただし、待期期間の3日間を除く)
労災保険で80%支給されるため、併せて100%の収入が補償されます。
障害共済金・・・労災保険で定める第1級から第14級までの障害等級に応じ、共済の型別に定められた日数に平均賃金を乗じて得た額が支払われます。
死亡共済金・・・遺族の方に対して、平均賃金をもとに最高2000日分が支払われます。
(2口加入の場合)
弔慰金として、死亡共済金とは別個に一律30万円が支払われます。 |